すきわ草子


「急がば回れ」勢多の唐橋に程近い数寄和大津の物語をつづります。
by 555sukiwa
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斉藤典彦展 こまやまー浮遊の景色 から (対話型鑑賞会の、鑑賞作品をおもう)

昨日から、5月。
空は、青空が広がり、どこまでも広がり・・・
・・・どこかでは、曇っているのかも知れないのだけど、
あまりに晴天のつづく、今日この頃。
今展の、斉藤典彦先生の表現は、わたしが、此処で、今まで、観たことのない・・・
三年前とは、違った御作品を拝見しながら、
どうしたら、この作品と近づけるのかと考えてみる。
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三年前の「斉藤典彦展 絹に描く」で、はじめて対話型鑑賞会をやっております!!と宣言をして・・・
それから、三年がたった。
その時に、あらためて、斉藤典彦先生が、どんなに凄い絵描きなのか!!興奮したのを覚えている。
今回、新たな表現にふれ、この御作品を対話型鑑賞させていただけるか??と考えながら、
毎日、作品を拝見しながら、そこへのステップとして、その前に、皆で観ようとおもう御作品があり・・・
昨夜の対話型鑑賞会で、実践してみた。
いくつとなく、反省するべき点があった。
みんなで、観て欲しいという想いは、今も、変わらずある。
何枚かの絵によってそのカタチとなっている作品は、
いつものように、手で、今、ここの話をしていますね?という補助的な動作も出来ず、
思考による言葉の蓄積を、どうパラフレーズしていけばよいのか?わたしの力量では、この作品の鑑賞会のナビは難しかった。
それでも、
そう、それでも、鑑賞会が終了してから、
「あの作品を、鑑賞会で観なかったら、きれいやな~としか、感じないままだったように思う。」と、お聞きして、皆で観ることの楽しさや深さを感じていただけて有り難かった。
昨夜の鑑賞会の豊かな会話。これは、参加して下さった方々の力によるものだった。
その作品の鑑賞をやって、新しい表現の御作品の対話型鑑賞会をして、
斉藤典彦という作家の今を、より理解したい私がいた。(今もいる!!)
一作品目、そして、二作品目・・・斉藤典彦先生の仕事は凄くて、観ていて、飽きない。話すことが多い・・・
鑑賞会一時間、終了することにした。
・・・展覧会は、後4日。
ひとり対話型鑑賞会を、こっそりとやってみよう。絵に近づけるか・・・たのしみ、たのしみ♪

日本の時間の流れ・・・
日本晴れのみそらの下・・・
はるの小川から、五月の青々とした、山々・・・
そして、やまやまの上に広がる、みそら。
はるの、なつの、あきの・・・それぞれの季節のおひさまのひかり。
その光がはいってくる、家。
家族の語らい。
それぞれの季節の、風。
日本の・・・
時間の流れは、いま、どこへと流れ、どこへとつづくのだろう?

今展でも二度開催させていただいた、対話型鑑賞会。
斉藤典彦先生の作品をご覧いただく方々から出てきたさまざまな見方、見え方。
絵は、面白い。
解らなさや、不思議さや・・・
絵をみる自由さがある。
明日は、もっと、近づけるかもしれない・・・という可能性や、
絵を愛するこころがあって、絵をみる人々がいて・・・
ご参加いただきました方々、一期一会に感謝します。
次の一期一会を楽しみにしております。(数寄和大津あさだ)
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斉藤典彦展 「こまやま―浮遊の景色」

数寄和大津 4/25(土)-5/6(水祝) 11:00-18:00 火休  先生は、4月25日、26日においでです。

沁みる山水―臥遊山水図としての≪こまやま≫

野地耕一郎
 斉藤典彦さんのアトリエのある自宅は、湘南平塚の旧東海道沿いにある。だから、街道に一歩でれば、西の方角に「高麗山」の山容が見える。この山はかつて歌川広重の「東海道五十三次」中の一図「平塚宿」に表わされ、平塚のシンボルとも思われ続けてきたが、実は大磯に鎮座している。街道の先に見えるいくらか急峻な山の形が、西に向かう旅人の足を止めさせたために平塚の宿場は栄えたのだ。しかし、この山は遠目ほど険しくはない。登ってしまえば、その北側から西斜面になだらかな丘陵地帯が広がっている。
 ひとたびそこに登れば、春を告げる相模灘を渡ってきた潮風が遠近(おちこち)の木々を渡って芽吹きを促がす景色となる。やがて春雨が過ぎる頃、山並みは鬱蒼とした新緑の影を宿す。太古以来、あまり人の手の入らなかったこの山は原生林に近いから秋の紅葉はしみじみと美しい。因みに秋の深まった頃、大磯駅の前後の東海道線北側の車窓をのぞめば、この秀景に出合えるはずだ。やがて時雨のあと、枝葉の落ちた森にからからと凩が渡る風情もまた目に沁みる。斉藤さんは、そんな四季の移ろう自然景の中をよく辿るように歩く。そんな日々の記憶と記録から今度の新作≪こまやま≫は生まれた。
 その筆致は、文人画の「山水」表現を想わせる水平性への指向が柔らかなスケールを生んでいる。それは、かつて池大雅や与謝蕪村ら江戸時代の画家たちが試みたように、静かだが深い息づかいのような筆致によって、自然の或る景色に端を発したイメージが描きながら増殖してゆき、その足取りのようなものが別の大きな「景」となっておぼろげながら立ち上がってくる、そんな風情なのだ。
 斉藤さんのしごとに特徴的なのは、岩絵具そのものの物質感と膠や水による水溶性の特質を生かして、素材に象徴される自然と自己の身体や感情との交感をはかっていることだ。その交感のさなかから斉藤さんは、「内なる自然」を探りあてようとしてきた。膠水に溶いた岩絵具という「日本画」特有の天然の素材を手に、絹の上に物質としての絵具があたかも本来あるべき場所に定着するまで、幾度も筆を重ねているのである。それにしても、わずかな色数と震えるような線だけで「絵」にしてしまうこの人の手並みは大したものだが、「内景」を実景としてリアルな次元まで昇華させるのは並大抵のしごとではない。四季のこの景色の中を耕すように歩いた時間と経験の堆積が、この絵の中には詰まっているのだ。それは、たとえば、その昔の文人画家たちが大切にした「臥遊山水図」のそれにとても親しいものかもしれない。真景図として目に映った景色を描きながら、共に歩いた人やその時感じた事柄や詩や歌を記念として織り込んだ理想図としての山水画なのだ。それを壁に掛けて自然の見事さとともに自らの人生の時間を顧みるよすがとしての絵画――。四季それぞれの丘の重なりを思わせる風景連作は、しかしそこに見えている事を成立させている「見えないもの」をさぐるように引かれた筆の重なりが、どこか遠くにある「懐かしい景色」をあたかも辿るかのように、愛おしく想い出させるからだ。
 さらに穿った見方を許してもらえば、この新作≪こまやま≫連作は、その麓に隠棲した日本画家安田靫彦がかつて編んだ短歌集『高麗山』の中に収めたおおどかで細やかな詠歌にも通じる情感を、私に想い出させる。また、高麗山は、斉藤さんの師系につながる山本丘人が住み、孤高の創作を続けた処でもある。また先年亡くなられた東京藝大の恩師工藤甲人は高麗山の麓を流れる花水川沿いに起居して、日夜この山を目にしていた。そんな画人たちの眼差しと魂を引き寄せた高麗山を描くことは、斉藤さんにとって先達たちへのオマージュも含まれていはしまいか。見慣れた風景のかなたに、過ぎ去った人と時と生とが往還する場を示すような象徴性の高い「山水画」がここに生まれた。
 斉藤さんのしごとは、いま伝統精神と結びつきながら、質高い現代絵画の彼岸にたどり着いたようだ。
 (のじ・こういちろう/泉屋博古館分館長)
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数寄和はギャラリーでもありますが、表具やでございます。
額装・軸装・パネル・カリブチと平面作品の展示や、美しい紙と制作のお手伝いをさせていただきます。
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・三井寺(天台寺門宗総本山園城寺)http://www.shiga-miidera.or.jp/
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by 555sukiwa | 2015-05-02 12:25 | 美観 | Comments(0)
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